ジャンク品の PEN-F を購入した。ミラーが上がったままの状態だ。ミラー駆動部とシャッター駆動部の関連に問題があるだけだろうと、たかをくくって購入したものだが復活は容易でなかった。結局シャッター駆動部もボディーから降ろすところまで分解することになってしまった。分解調整を重ねながら12時間に及ぶ作業になった。
苦労した分だけ出来上がりは十分満足出来るものになった。ポロプリズムの端部に小さな腐食は見られるものの,クリアになったファインダーはピント合わせが容易になり,ゴリゴリ感の有った巻き上げもスムーズになった。シャッターを駆動するバネのプリテンション調整,更にガバナーの洗浄・注油を施した結果、特に低速域で不安定だったシャッターは安定し小気味良い感覚を取りもどした。
PEN-Fはペンタプリズムの出っ張りが無く一見単純な造形に見えるが、細部にまでこだわったデザインが施されている。上部カバーのエッジ部分を段付きにしてシャープなイメージをつくり込み,そこにレリーズボタンを一体感を持たせながら配置している。また上部カバーの形状を緩やかにラウンドさせて,穏やかさとともに優美さをも醸し出している。希有の設計者でありデザイナーでもある米谷氏ならではの作品である。

上部カバーの取り外しにかかる。巻き戻しクランクを外すと現れる2本のネジを取り外す。

巻き戻しクランク反対側の側面にあるネジ1本を外す。

カバーを真上に引き上げると簡単に外れる。

シンクロ用のリード線は写真の+ネジを反時計方向に緩めると外れる。プラスドライバーではなく、マイナスドライバーを使う。

ファインダーユニットには劣化したモルトが付いているので除去する。

接眼部のポロプリズムは真鍮製の押さえ金具で固定されている。ネジ3本を外す。

続いてアイピースを外す。ここにも劣化したモルトが付いている。

外した接眼部のポロプリズムとアイピース。

ファインダーユニットのミラーを外す。ミラーを固定している金具はネジを緩めてスライドさせると外れる。

外したミラーと金具。組立時にアルコールでクリーニングする。

ミラーを外すとファインダーユニットのフレームを固定しているネジが見える。

ファインダーユニットのフレームを固定しているネジ2本を外すとファインダーユニットは外れる。

前面の貼り革を剥がしてシャッターダイヤルを外し、ミラーボックスを固定している5本のネジを外すとミラーボックスは外れる。

この機体は修理された跡が残っていた。ミラーボックスを固定しているネジ溝のエッジが潰れている。

昭和56年12月17日頃に修理されたことがあるようだ。その後も誰かの手で分解されたことがあったのだろうか。

シャッターユニットやロータリー式のシャッターが見えてきた。

ミラーボックスから外したミラーの駆動ユニット。汚れているのでユニットごとベンジンに漬けて洗浄した。

本体フレームから取り外したシャッターユニット。

シャッターユニットを裏から見たところ。ロータリーシャッターはチタン製である。

外したロータリーシャッター。左側リード線が付いているのはシンクロスイッチの接点で、シャッターが全開になった時にONになる構造だ。

ロータリーシャッターの詳細。エッジは強度を確保し軸と接合されている。シャッター幕になる部分は非常に薄く出来ており、幕の凹凸は強度を増すために設けられている。回転部を出来るだけ軽くすることで慣性を少なくし、1/500のシャッター速度を確保したとのことだ。余談だが、当初はアルミで試作したが、強度が足りずにクシャクシャになってしまったと米谷氏は仰っておられた。

シャッター制御ユニットの前面。

シャッター制御ユニットの後面。
シャッターユニットは汚れていたので、ベンジンに漬けて洗浄した。

各ユニットが取り外された本体フレーム。

ファインダーユニットのレンズは2枚で構成されている。分解してクリーニングした。
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