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Sunday, May 21, 2006



CANON Canonet
1961年発売

ジャンクで入手したCanonet(キヤノネット)のリペアを行った。入手したものは初代のキヤノネットで1961年に発売されており、私が生まれて間もなく世に出たものである。古さを感じさせず、すっきりしたデザインのカメラだ。シャッター速度優先式のAE機である。

※キヤノンのホームページによるとCanonetは「キャノネット」ではなく「キノネット」と読むのが正しい。




軍艦部上面

マニュアルでは露出計は機能しないが、シャッター速度はB、1/1〜1/500まで、絞りは1.9〜16まで任意に選ぶことが出来る。またバルブではタイマー(T)が使えるのでシャッターを開放することができる。単なるAE機ではない凝った仕様を持っている。
軍艦部上面にはレリーズボタンとアクセサリーシューしかない。




底面

巻き上げレバー、巻き戻しクランクは底面にある。上部に露出制御、底面に巻き上げ機構が組み込まれているので、自然にこのような配置になったのだろう。使いやすさを求めたものならば、以後の機種も同じになったはずなのに、次の機種からレバー類は上部に移っているからだ。


WEBを検索したり修理本を調べてみると、レンズを外し、シャッターや絞りにベンジンを注いで洗浄すれば治るらしい。簡単に治るだろうと取り組んだが簡単な作業ではなかった。

不具合の症状は次のとおりだ。
 1.巻き上げが引っかかった感じがする
 2.シャッターが切れない
 3.ピント合わせの二重像が合わない
 4.鏡胴ががたついている
 5.シャッター設定リングが回りにくい
細かいことを挙げるときりがない。なにせ半世紀近く経ったものなのだから。

上部カバーを外す。ネジ3本を外すだけだ。


底部カバーを外すのは少々面倒だ。三脚取り付けネジ回りの貼り革を剥がすとネジが現れる。巻き戻しクランクは軸から外さずとも、クランクを引き上げれば根本のネジを外せる。巻き上げレバーはカニ目で外す。逆ネジはない。


底面の巻き上げ機構を確認する。


巻き上げの不良は無理矢理にレバー操作したことによって、ギヤの掛かりが外れてしまったことによる。


巻き上げスプロケット軸のギヤは歯面が削れ、変形している。


レンズボードを外した本体フレームの上部にはレバーがいっぱい。


レンズを外そうとカニ目を見ると、既に分解された跡が残っている。あるだろうと思っていたが悪い予感がする。


レンズ銘板を外すとセレンが現れる。


セレンは半田ゴテで外す。レンズを外し、その下の止め輪を回して外す。


シャッター速度設定リングを外すとシャッター制御リングが現れる。リングとレバーの掛かりを記録しておく。


シャッター制御リングを外すと、ガバナー、セルフタイマーの各ユニットが現れる。
前面から見たシャッター羽根は綺麗に見えるが、内部は固着している。多くのサイトで紹介されている修理方法は、ここでベンジンを注ぎ洗浄するものだ。しかし、それでは奥に隠れた汚れまでは除去出来ないと判断し、シャッターユニットから絞りに至るまですべて分解することに方針変更した。


レンズボードから鏡胴を外す。


レンズの後玉を外すと絞り羽根が見える。油で固着している。


鏡胴の奥のリングを外すと、ヘリコイドと鏡胴が分離する。


再び鏡胴の前面から分解していく。


ガバナーとセルフタイマーユニットを外す。


ガバナーが動かない状態になっている。ベンジンで洗浄し、各軸に極少量の注油を行い、スムーズに動くようになった。シャッター羽根の前面からの洗浄ではガバナーまでは及ばないだろう。


フィルム室側から矢印のネジを外し、シャッターと絞りユニットを分割する。ネジはすべて異なっているので、形状と位置を記録しておくこと。


シャッター羽根の重なり方を記録しておく。特に、羽根とともに根本に小さな板を重ねた構造になっており、不用意に分解すると、どうなっていたのか分からなくなり収拾がつかなくなる。


ばらした羽根は無水アルコールで払拭する。


絞り羽根も重なり方を記録しておく。汚れて動きが悪い状態であった。


絞り羽根も無水アルコールで払拭する。絞りを動作させるリングも取り外して清掃する。このリングには油分が固着していたので念を入れてクリーニングした。


組立は分解の逆の手順で進めるのであるが、特にシャッター羽根の組立、シャッター制御ユニットと絞りユニットとの組み込みが難しい。先ずはシャッター羽根を組まずに組み込む練習を行って、コツをつかんでから組立を行った方が良い。また、むやみに注油をしないことも大事だ。
レンズシャッター式のカメラは分解調整が難しい。小さなバネの力で動作させているので、わずかな油分がシャッター羽根に付着しただけでも動作不良を起こすことがある。


自動露出を制御するメータ周りのレバーやカムである。光量によってシャッター速度と絞りをどのように決めているか興味が湧く部分だ。


メータを外すとリンクが現れる。写真下部がシャッター速度、上部が絞りを決めるレバーである。中央のレバーがシャッター速度と絞りを連動させている。

◆関連図書◆

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